2009年7月2日木曜日

野生の羊について

 世界で生息している『野生の羊』にはいくつかの種類がありますが、一般にはアジア、ヨーロッパ、北アメリカなどの万年雪に覆われた高山地帯を中心に暮らし ています。モンゴルでの野生の羊の多くは西南部のゴビアルタイ県にあるハンガイ山脈の高い山々で暮らしています。モンゴルに生息する野生の羊はほかの種類 よりも特に体が大きいといわれています。そして足は細くて長く、毛は薄く、尻尾が短いのが特徴ですが、遊牧民が飼っている普通の羊ともよく似ています。体 重は200キロ、体調は120センチというオスは大きく巻いた角を持っており、その長さは体長を超える160センチ~180センチにもなります。野生のオ ス羊はアルガルといい、メスはヤンギルと呼ばれ、メスの角はオスよりも短くなっています。野生の羊の色は1年の間に変化していきます。何よりも周りの自然 や環境によって影響を受けるのです。一般的には薄い茶色が多いのですが、春になるとだんだんその色は薄くなっていき、おなかと口の周りは白い色をしていま す。野生の羊は山間部に生息する動物ですが、野生のヤギのように岩の多いところでは暮らしません。また、野生の羊は単独では行動しません。1,2 頭~4,5頭、時には30~40頭もの大きな群れを作って牧草地に出ます。
さて、広いモンゴルでも比較的温暖な気候の乾燥地帯であるゴビでは草の生えた小さな丘や谷などが野生の羊の住む場所になるのですが、夏の暑い時期はゴビの 羊は朝と夜の涼しい時間に草を食べに出歩き、真昼の間は日陰で寝そべったりして過ごします。そしおて野生の羊の妊娠期間は7か月間で、4月~5月にかけて 子供を生みます。現在モンゴルでは野生の羊の生息数を増やすためにその狩猟が禁じられています。野生の羊がどうしてハンターに狙われるか、肉は普通の羊の 味とほとんど変わらないといいますが、肉用としてもまたそれ以上に角を取るためによく狩猟の対象となっているのです。ではここでかつて、野生の羊を狩猟し た外国人のハンターの日記を紹介しようと思います。「モンゴルに来て以来、今回の野生の羊狩りは、私たちにとってこれまで一番興味深く、とても最高でし た。私たちが宿泊しているこの山では1日に275頭の野生の羊が確認されています。その中の160頭まではメスでした。この羊の群れを見ると、野生の羊狩 りに興味を持つ者なら誰でもいずれ来ざるを得ない場所、夢の世界にやってきたんだということがわかるでしょう。私たちのグループに中に、それまでモンゴル 地域で暮らす野生の羊が持っているあの石のようなそして150~160センチもある大きく長いすばらしい角を見たことがある者は一人もいなかったのです。 こんなに大きな角を持った羊たちがアルタイ山脈の麓で草を食べ、まるで鉄砲でも打っているかのような大きな音を立ててぶつかりあっている様子を目のあたり にし、そして自分の耳でその音を聞いた人は疲れなども忘れてしまい、高い山へと登り続けることが楽しくて仕方ないでしょう」と書いています。モンゴルの野 生の羊はその美しい角で有名です。昔の女性たちは髪飾りを羊の角に似せて作り、美しさを競いました。そして、現在では残念ながら羊は美しい角を持っている ために乱獲の対象にもなっています。

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